「魔物の姫、オレはあなたを救えただろうか?」
帯に表記されてた作中の言葉を引用しました、最高か?
こーの美しい表紙で救いとか言われたら、ファンタジー好きとして購入せざるを得ない。文庫のときからずっと気になってた本だったけど、表紙の美しさに負けて単行本を購入した。読み終わった今も表紙みてニヤニヤしてる。美しすぎる…。
内容もめちゃくちゃ良かった。表紙の期待を裏切らない、美しい物語だった。語り手の謎と魔物の謎、全部が繋がっていてとても美しいファンタジー! 全人類に薦めたい!
以下、閲覧は読了後推奨。
千夜一夜物語のように語られる物語
二人の<語り部>が紡ぐ物語によって、話は進んでいく。最初は「そういう世界ね」という軽い気持ちで読んでいたけど、読み進めていくともう止まらない。
全部繋がっている、伏線に気付いたときの興奮よ。これが読書なんです。この興奮が忘れられないから、私は小説を読み続けてしまうんです。最高小説だ~!
世界の全てがハッピーエンドとは限らない
文句なし百点満点のハッピーエンドももちろん好きだけど、過酷な状況、数多の犠牲を乗り越えた先に辿り着く、少し寂しい結末も大大大好き。
全てがハッピーエンドではないけれど、全ての出来事が次の世代へと受け継がれていく。何もかもが無駄ではなくて、全ての事に意味がある。そんなメッセージで殴ってくる物語、好きに決まってる。
あとがきも最高なんだよね。あとがき2ページ。その2ページで私は多崎礼さんのファンになってしまった。
「すべてのことには意味がある。そんな物語を、これからも書き続けていく所存です。」
まじですか!? この物語の後に言われたら信頼しかない。ありがとうございます。謹んで追わせて頂きます。
とりあえず『レーエンデ国物語』を買うことが決定した。これも単行本の表紙が美しすぎて、本屋で見惚れてたんだ~!