青い夏の夢を見る

日記と読書備忘録

推しの香水ばかり増えていく

 推しの香水を買った。にじさんじのイブラヒムの香水である。

 良い。香りに詳しくないので浅い感想になるが、女性がつけやすい香りで大変助かる。自分のファン層を分かっていてくれてありがとう。甘いけどくどくない感じが大変私の好みだったので、買ってよかったと安心した。公式が出す推し香水なるものは、香りが分からないままオンライン購入するため、一種の博打である。文字で香りが想像できる知識と記憶力が欲しい。

 

 普段は香水をつけないくせに、推し香水が販売されると迷わず買ってしまうタイプの人間だ。そのため私の保有している香水のほとんどが推し香水である。友人に「何の香水?」って尋ねられたら困ってしまうやつだ。でももしかしたらイブラヒムなら、何も知らない人が聞いたらブランド名に聞こえる……かもしれない。IBRAHIM。聞こえないかもしれない。

 お洒落で美しいブランドの香水も欲しいな、と思っているのだが、いかんせん既に結構な数の推し香水を保有しているため、使い切れる気がしなくて手を出せないでいる。気が向いたときにしかつけない人間なので、正直すでに身に余っている状態だ。そういう状況だから、お洒落で美しいブランドの香水は購入を我慢できている。けれど、推し香水に対してはそうもいかない。発売するや否や秒で買ってる。オタクとはそういう生き物である。

 

求:読書と動画視聴を両立する方法

 イブラヒムを中心に、彼と関わりのあるにじさんじライバーをよく見ている。また、Vtuberだけでなく、TOP4の実況もよく見る。つまり、Yotubeに大変お世話になっている状況である。誰もがご存知の通り、これが本当に時間泥棒で、読書の時間を大幅に盗まれるので困る。

 彼らの動画や配信をまともに追おうとすると、平気で1日6時間くらいの時間を消費することになる。私は平日勤務のしがない会社員であるため、全ての配信を追うのは物理的に不可能だ。さすがに切り抜きを利用している。オタクとして全てを追いたい気持ちはあるが、この間のイブラヒムなんて、12時から12時まで配信をしていた。ごめん、供給が多くてありがたいけれど、全部見るのは私には難しい。

 

 今は読書と配信動画を主な趣味としているわけだが、時期によって趣味の方向性が偏る人間になっている。12月はにじさんじのイベントがあったため、配信者の方に時間を費やしていた。にじフェスというイベントは天国と地獄のような場所で、語れば長くなるのだけれど、結論だけお伝えするとめちゃくちゃ楽しかった。来年も開催されるならば迷わず行こうと思う。それ相応の覚悟を持って。

 対して、1月は読書ばかりしている。正月休みがあったことが大きく、積読を減らすことができてとても充実した読書期間であった。しかし、読書をしていると配信が追えないのである。推しの面白そうな配信が追えず、とても悔しい。「なら配信を追えばいいじゃない」という単純な話なのだが、推しの活動を見るのと同じくらい、私は本も読みたいのである。両方を同時にできない趣味なので、時間の使い方が難しい。結局どちらも中途半端な状態で、心を満たせないでいる。

 

 バランスよく両方の趣味を楽しんでいきたいと思っているのだけれど、なかなか上手くいかない。読書をしながらワンチャン配信を聞けないか試したことはあるが、普通に無理だった。読書にのめり込んでしまって、音が一切聞こえなくなるのだ。そういえば、私は読書しながら音楽を聴くことができない人間だった。目と耳、使用する場所は異なるのに、私の脳みそは片方でキャパオーバーらしい。脳みそが同時処理してくれたら、もっと効率よく人生を楽しめるのに……! 使う器官が異なるからこそ、余計もったいなく感じてしまう。

 

感情のジェットコースター

 今月は読書ばかりしていると言ったのだけど、これがめちゃくちゃ楽しい。読書をまともに始めて2年ちょっと、私はいまだに読書の楽しさに新鮮に驚いている。

 

 貴志祐介の「青の炎」を読んで、めちゃくちゃ心が沈んだ。なんて気分にさせてくれやがるのですか。これを家族ものと言っていいのか謎だけれど、私は家族ものにとても弱いのである。突然家に住み着いた暴力的な存在を排除したいと思う、主人公の感情の推移が1番キツかった。家が安心できる場所じゃないって、恐怖だよ。主人公目線で進んでいくので彼の母親の気持ちは明記されないが、自然と思い描いてしまって本当に苦しい。主人公の狭い視野と行動力を伴う好奇心が、「ああ子供だな」と感じてしまうのも本当に切ない。そんなことより研究者にならないか?主人公よ。向いていると思います。

 こんな暗い気持ちも、日常生活ではなかなか感じることができない感情である。自分の感情が揺れ動くのが面白くて、たまに重たい話を読みたくなってしまう。けれどしばらくは、感情に殴られる重たい話は読みたくない。

 ということで暗い気持ちを払拭するために、フォロワーが絶賛していた「花菱夫妻の退魔帖」を読む。爆萌え小説を読みたいときはフォロワーのおすすめに限るのだ。これが本当に、本当に面白かった。胡散臭いヒーローと死んだ魚の目をした光のヒロイン、この字面だけでキャラ読み勢としては「もう最高!」なんだけど、ストーリーもとても良かった。続きが気になる良い展開である。ちょっと今月は小説予算をオーバーしすぎなので、来月の楽しみとして続編を追わせていただく。

 上記2つの小説はKindle Unlimitedで読んだのだが、さらに伊坂幸太郎「ホワイトラビット」と斜線堂有紀「廃遊園地の殺人」もUnlimitedで続けて読んだ。私は伊坂作品の大量の伏線と疾走感のある作風が大好きなので、ホワイトラビットもめちゃくちゃ楽しかった。語り手が読者に話しかけてくるタイプの変わった構成の物語で、クスッと笑えるような小ネタが多くて面白い。今回は真相が分かった時に声を出して笑ってしまった。これだから伊坂作品は定期的に読みたくなる。

 斜線堂先生の読書日記を読んで読書欲が高まったのだから、と思い著作を手に取る。ちなみにこの間、文庫新刊である「ゴールデンタイムの消費期限」のサイン本を手に入れることができた。書店のTwitterを見張っていた甲斐があり、私はにっこりしている。にっこりしながら「廃遊園地の殺人」を読んだ。感情で殴るタイプの作家にしては淡々とした作品だな、というのが序盤の印象だったけれど、そんなことなかった。終盤に向かうにつれ、キャラクターたちの背景や個性が明らかになり──ああ、斜線堂先生だな、と嬉しくなった。事件は解決したけれど、キャラクターたちの人となりにはまだ気になるところが残されている。こうなると私たちは続編を期待してしまうけれど、どうなんでしょうか。ぜひよろしくお願いします。

 

日記は自分が読み返すのが1番楽しい

 過去の自分の日記を読み返すと、当時の気持ちが蘇ってきて楽しい。どうやら「SIM事件」から一年経っているらしい。事件の時と同じ機種を使用しているけれど、あれから特に異常がなかったためその出来事すら忘れていた。やっぱり、日記は将来の自分が楽しむための文章である。

 ただ、書くのにはそれなりのエネルギーを使うのが痛い。今回は時間がある時にちまちまと書いていて、まとまって書いた時間はそんなになかった。それでも「書いたな……」と、エネルギー消費を感じてしまうので、今年一年続けるのは無理かも、と最初から挫けかけている。日記なのだから、続けるもやめるも私の好きにすればいいんだけど。

 

 Twitterで自分自身のことや趣味以外の思想を呟くのはなんだか躊躇うようになってしまった。特筆することもない人生を生きているので、呟くことがないのもある。ただの生活を垂れ流すのも……と呟くのを躊躇してしまうのだが、それはそうとして、フォロワーの生活は垣間見たい。何食べたとか仕事疲れたとか、些細なことからどんどん呟いて私のタイムラインを賑やかにしてほしい。自分は見せたくないけど、他人は私に見せてほしい。ジャイアンである。

 

 とりあえず、無事2回目の日記を更新することができて私は満足である。Twitterの読書垢は、「なんか本をたくさん読んでる謎の人」になりたいと思っているのだけれど、このブログでは多少生活感を出していきたいと思う。出ているかは謎である。結局趣味のことしか話してないような……。まあ私の生活の軸は趣味だし、それは仕方ない。