青い夏の夢を見る

日記と読書備忘録

『幽霊伯爵の花嫁 全8巻』宮野美嘉著/ルルル文庫

 幽霊伯爵の17人目の妻として嫁ぐことになったヒロインが、しぶとく図太く強かにしなやかに幸せを掴み取っていく物語。

 一癖も二癖もあるキャラクターを描くことで有名な宮野美嘉先生。その歪みは愛に特化しており、私は大好きです。なぜなら愛の話なので。

 『蟲愛づる姫君』シリーズを6巻まで、『不実な夫の愛し方』、『茨姫と嘘吐きな求愛』、『悪魔な妃の危険な婚姻』、『鬼愛づる歌姫』を読んだことがあります。『蟲愛づる姫君』シリーズも続き読みたいな。あれはかなり特殊な話なので、本編読了後、一回寝かせちゃいました。お腹一杯になるので……面白いんですけど!笑

 

 女性向けラノベ、めちゃくちゃ読むけど読了ペースが速すぎて筆が追い付かず、全然ブログにまとめれない。今回のシリーズも2,3日で読み切りました。年越し本です。それだけ面白かった!

 

 以下、ネタバレ注意です!

 

ヒロインの強かな性格が逆に魅力的

 一巻読んだのは一年ほど前。読了後の新鮮な感想をどうぞ。

 当時はお金がなくて買えなかったのですが、一年後の現在、大人買いして一気読みすることができました! 財力って素晴らしいね!

 

 ヒロインであるサアラは、控えめに言ってぶっ飛んでいます! それがこのシリーズの魅力。

 ぶっ飛んでいるからこそ、「このヒロインにはこのヒーローしかダメだ……」という唯一無二の存在になり得ます。途中でジェイクが「君に付き合えるのは俺くらいだろう」と自覚するシーン、マジで最高だったな。そうだよお前にしかサアラは扱えないよ……。だって他でもないサアラがジェイクのこと大好きだから……。

 

 常にサアラに振り回されているジェイクですが、振り回された挙句、たま~に理性がぶっ飛ぶのでサイコ~の気分になれます。ジェイクにはぜひ欲望のまま行動して突っ走ってほしい。なぜなら私が楽しいので。

 

展開はルルルらしく王道、王道っていいよね

 川に落ちて山小屋で一夜を過ごしたり、記憶喪失になったり、嫉妬したり、隠し子疑惑だったり……。王道ってやっぱり楽しいからこそ王道って呼ばれるんだろうな。

 一番のお気に入りは「やらかした男が意趣返しされる」シチュです。拗れれば拗れるほど興奮してしまった。あはははは

 

私たちの希望、エリオス

 ジェイクとエリオスの二人の関係も落ちつくことができて良かったです。

 宮野先生の作品なので、エリオスまで狂気的になってしまったらどうしよう……と少し考えていたのですが(宮野先生が描く全てのキャラクターを疑っている)、常識人最後の砦を守ってくれてよかった。

 もう一つ懸念していたのは、サアラがジェイクと年齢が離れていて、エリオスの方が歳が近いことでした。エリオスがサアラのことを好きになってしまったら、勝手ながらちょっと嫌かも……と感じていました。これは完全に私の好みからくる懸念だったんですが、そういう展開にならなくて本当に良かったー! 外見に騙されることなく、普通にサアラのことをヤベェやつ、って思ってる常識人エリオスに安心しました。今後シスコン拗らせる可能性はあるけども。今のところいちゃつく姉弟は可愛いのでオッケーです。

 

 そして私は可愛い子供が大好きなので、リオンに癒されていました。可愛い! 可愛いよ! リオンに冷たくされてショックを受けるエリオスとジェイクにニッコリ。不憫な男が好きなので。この家族はひたすら女性陣に振り回されるんだろうな……。

 

ギルはずるい

 これは小声なんですけど、エリオスの話をきちんと聞いてあげるギルをみて「ギルのこと、めちゃくちゃ好きかもしれん!?」になりました。夢小説的な意味で。

 7巻の挿絵が良すぎた。顔が良い……。これで40代子持ちとか言われたら脳みそバグるよ。こんな見た目してるのにちゃんと大人の余裕があるなんで、そんなん普通に好きになってしまうだろうが。

 

宮野作品にしては尖ってない方

 先に『蟲愛づる姫君』に手を出してしまったので、毒夫妻に比べれば、幽霊夫妻は遥かにまともだよ……と思ってしまいました。毒夫妻の癖がありすぎる。

 毒夫妻は一気読みには向かないと思います。ちょっとずつ摂取することをお勧めします。なんせ毒なので。

 

 私も久々に読みたくなってきた。積読崩すか~!