見事にブログの更新が三ヶ月でぴたりと止まっており、逆に美しいな、とさえ思えてきた。
一度更新が途絶えると、「もう、いいか・・・・」の気持ちになってしまう。そんな気持ちになってから、早半年。ふと自分のブログを読み返してみたら、予想以上にめちゃくちゃ面白かった。さすが自分、趣味が合う。そうなってくると、日記を書いていない期間が惜しくなってくる。
やはり日記というものは、書いた本人が1番楽しく読むことができる文章だと思う。すぐに忘れてしまう些細な感情も、その時の自分にとっては一大事だったことも、もう過ぎ去ったことなので「そんなこともあったね」とどこか他人事のように笑うことができる。半年前の私はどうやらメンタルがかなり落ちていたようだけど、今の私は元気なので無限ソリティア編に陥っている過去の自分にめちゃくちゃウケている。メンタルが落ちているのが分かりやすすぎる。
日記に記載している読書記録も面白かった。本の感想は読書メーターにも記録しているけれど、あちらは文字数制限があるので書ききれないことも多いのだ。その本に興味を持ったきっかけとか、複数シリーズに手を出して必死に読書を進めている様子だとか、本の内容の感想以外のところも日記では読み取れるので楽しい。
まるで他人のブログを読んでいるようなコメントをしているが、私は記憶を失っているレベルで物事を覚えていないので、わりと本当に他人事のように日記を読んでいる。だからこそ私にとって記録は本当に大事なのだ。できれば日記更新を続けたいのだけど・・・・。継続ほど難しいことってない。
半年の成長
更新が途絶える前に、「ハーダンガー刺繍をしたい」と書き記してあり、まだこの頃は始めてすらいなかったのか、と半年という時間の長さを実感じた。今の私の部屋には、ハーダンガー刺繍で作った作品がいくつも転がっている。
写真のオシャレな布は私が作ったものだ。作った、とはいえ刺繍キットを利用しているので、キット通りに縫っているだけではあるが。
『ひとみの小部屋』さんというハーダンガー刺繍キットを販売されている方がいて、ありがたく何度も利用させていただいている。この素敵で豊富なデザインのキットがなかったら、ここまでハマっていなかったと思う。この半年で新しい趣味ができて嬉しい限りである。
1冊だけ人にオススメするとするならば
ついこの間、嬉しい機会に恵まれた。時間潰しのために友人とふらっと書店に寄った際に、友人が「私のおすすめした小説を1冊だけ今買う」と宣言してくれたのだ! おすすめした本をすぐに購入してくれるってこんなに嬉しいものなんだ!
即興で訪れたおすすめの機会だったため、嬉しすぎて逆にパニックになった。絶対に私の中のとびきりの小説を読ませたい。でも私は、先月に何の本を読んでいたかすぐに思い出せない人間である。即興という言葉が1番苦手だ。全然出てこない。
しかも1冊という縛りがある。これはなかなか大きな縛りだ。本棚で目についた『スロウハイツの神様』を最初におすすめしたところ、「上下巻は嫌」と言われた。無念。確かに軽く読み始めるには上下巻はハードルが高い。今回はダメだったが、表紙を友人の目に焼き付けることができたので良しとしよう。『スロウハイツの神様』は人に薦めやすい本当に面白い物語なので、いつか読んでくれることを願っている。
最終的に私は、少し前にどハマりしていた裏染天馬シリーズの第1巻である『体育館の殺人』を選択した。ミステリー好きな理系の友人だったので、私と同様、この作品にハマると思ったのだ。正直私はキャラクターに爆萌えしていたけれど、青崎有吾さんの作品は「仮説!検証!仮説!検証!」の繰り返しで、まるで研究の進め方の手本のように話が展開していくのが面白い。そのため密かに、理系タイプにぴったりな作風だと思っている。
面白さに自信はあれど、文庫本というのは安くない出費である。プレッシャーを感じながら友人の買い物を見守っていた。なんならパニくりすぎて、最初間違えてシリーズ4冊目である『図書館の殺人』を手に握らせていた。途中で我に返って間違いに気付けて本当に良かった。普通に冷や汗かいた。
そんなこんなでドキドキした2日後、なんと友人から「もう読み終わった!面白すぎて止まらなかった!」という嬉しい言葉をもらった。嬉しい! 論理的で面白かった、という、予想通りの感想をもらって私はニコニコである。
実は『体育館の殺人』は1冊完結であるものの、シリーズ作品でもあるため、続編があと3冊待ち構えている。1冊だけ薦めたと見せかけて4冊読ませる、計画通りである。
ちなみに友人におすすめ本を買わせると同時に、私も友人のおすすめ本を1冊購入した。人のおすすめ本を購入するのも本当に嬉しい。まだ未読であるため、何をオススメされたかは今回言及しないことにする。書店で本棚を眺めながらオススメしあうの、楽しすぎる! 何度だってやりたい!
あまりにも嬉しい体験すぎて、もうその機会はないというのに私は「1冊だけ人にオススメする本」をいまだに熟考している。冷静に考えると、人に読ませたい1冊が他にもいくらでも浮かんでくる。伊坂幸太郎『ホワイトラビット』とか、斜線堂有紀『私が大好きな小説家を殺すまで』とか、恩田陸『蜜蜂と遠雷』、辻村深月『ハケンアニメ!』とか・・・・。正直全然1冊に絞れない。
皆さん、貴方のとびきりの1冊を私が読むので、私のおすすめの1冊も読んでくれませんか!!