青い夏の夢を見る

日記と読書備忘録

『私が大好きな小説家を殺すまで』斜線堂有紀著/メディアワークス文庫

 何はともあれ最初の三行を読んでくれ。

(※試し読みでも読めるところなので引用しています。)

 

「『憧れの相手が見る影もなく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。だから私は、遥川悠真に死んで欲しかった』」

 

『私が大好きな小説家を殺すまで (メディアワークス文庫)』斜線堂 有紀著

 

 最高か?

 

 この最初の文章にビビっと来た人は、最後までめちゃめちゃ楽しんで読めると思います。こんなブログを見ていないで、さっさと購入して読んでください。頼む。

 関係性オタクの私には刺さりまくった。読み終わってから一週間以上経ったけど、この文章が頭から離れない。

 

 以下、感想です。3つ目の見出し以降うっすらと、4つ目からはがっつりとネタバレしているので、読了後推奨です。

 

初読み斜線堂先生

 フォロワーさんのツイートを見て、ずっと気になっていた作家さんです。

 ツイッターのプロフィールが印象的過ぎて、小説読んで(斜線堂先生おもしろ……)って思うたびに、「面白い小説を書きます」という一文が頭に浮かびます。

 強気でほんと好き。

 

感情がぐちゃぐちゃにされる作品

 まじで感情をぐっちゃぐちゃにされたので、ツイッタランドで騒ぎまくってました。

 以下、読了直後の鮮度が高いオタクの感想です。

 

 

 字面から分かるとおり、めちゃめちゃ興奮してます。あまりに動揺しすぎて誤字もしてます。

 斜線堂先生、小説の面白さを改めて教えてくれてありがとう……。

 

とにかく小説を読んでくれ

 何を言ってもネタバレになるし、この複雑な気持ちは伝わらない。とにかく小説を読んでくれ。

 (こんな投げやりな読書感想ブログある?)

 

 こんなにしんどい気持ちになっているのに、またすぐに読み返したいと思っている。それくらい、心理描写に惹かれるものがあった。言葉がきれいで、印象的だった。

 

 物語の中の主人公がしているように、私たち読者も二人がどう行動すれば幸せだったのかぐるぐる考えてしまう。ほんとに、ずっと泣いてた。最初は電車で読んでたけど、「あ、だめなやつこれ。じっくり読みたい」ってなって、土曜日の朝から一気に読みました。

 

 こんなにしんどいけど、つらいけど、「小説って面白いな」って思える話です。文章も感情移入しやすくて分かりやすいので、全人類読んでください。

 

 次! ネタバレだよ!

 

 最後の描写がずるい(ネタバレ強)

 最後のDNAのくだり、本当にずるくないですか? 絶対あり得ないって分かっているのに、その話を挟むことで、最後まで読者に「もしかして」という希望を持たせる。どんなに罪を重ねても、結局私たちは2人のハッピーエンドを求めてしまっているから。

 だけど当然のごとく、先生は来ないし、電車は来るんだよ。それなら最初から期待させないでよ、斜線堂せんせ~!!

 

 先生の崩壊に続く梓の崩壊、先に裏切ったのは? 敬愛と執着、どちらだったのか? そういうシーンの、梓の心境が印象に残っています。うわ~~~最高の小説じゃん!!!

 

他の作品も気になる

 Kindle Unlimited で読んだのですが、あまりにも良すぎて紙の本で購入しそうです。

 そして他の本も絶対読む。絶対絶対読む!